千歳緑が映える場所で
- 夏目は笑った。おれはもうさみしくはないよ。その理由を俺には教えてくれないのだろうか(田沼+夏目)
- あんまり酷い事を言うものでもないと解っていたが、あの少年といる時の柊は緊張の糸が緩んでいるのが気に食わなかった(名取+柊)
- 夜だ。夜夜中だ。月は立待、妖はすぐそこ。――私を食うつもりか? 的場が哄えば闇はざわめいた。あぁ、これも小物か(的場)
- 名取の手が冷たかったのでまるで自分と同じだ。思いその指先を両の手の中に包み込んでしまうと、私はもう子どもではないんだよ柊。大人の声で主は笑った(名取+柊)
- 夏の時期の朝早く、午前四時とか五時とかの時間帯は好きだ。夕焼けよりも余程世界が死んでいく様に思える(ドリィ:緋色の椅子)
- 触れるだけで満足できるような大人しい妖だったの? レイコが笑えば、満足できなくとも触れる以上の事を選ばないくらいには大切だったのさ。露神は微笑した(露神+レイコ)
- 朝の務めに出ようとしてはたと思い出す。此処の妖は余り悪さをしないので。そう言っていたあの少年と、要は言葉を交わしただろうか(田沼住職)
- 妖は朝に弱いのさ。斑は大欠伸を一つ、くあっと開いたその口に夏目は手早く試供品のキャットフードを放り込んでみた(夏目+ニャンコ先生)
- 朝ごはんはきちんと食べていかなきゃ駄目よ! 塔子のきっとした一言に、たとえば叱られる嬉しさを感じる自分は幸せなのだろう(夏目+塔子)
- 宙に弾けた首を視界の隅に、愛しく思った女の向こうに彼女の血では染まったのではない赤の髪を見た(ドリィ+カズナ:緋色の椅子)
- 貴方の名前は何て言うの? 萌える緑の狭間で女はその顔の半分を翳に染めながら問うてきた。貴方のお名前は?(レイコ+妖)
- ギンの髪はお日様に光って綺麗だわ。蛍のませた一言は、蛍はきっと太陽に温められて温いんだろうな。あぁそんな悲しい事を言わせたかったわけではないのに(ギン+蛍:蛍火の杜へ)
- 南中している太陽を背中に負って、こんな暑い日のロケの最中に思い出すのは妖の冷えた手の感触。恋しいのは女のその細い指(名取)
- ニャンコ先生もバテるんだな、高貴な妖のくせに。阿呆暑さに貴賎が関係在るか。貴いという字を名に持ちながら下等なお前に言われたくないわ。喧嘩勃発(夏目+ニャンコ先生)
- 辛島くん背が大きくなった? 国府に言われて辛島は初めて気付いた。そういえば服が小さくなったような気もする。そらお前莫迦だなお前さんが大きくなったんだよもやしっ子。いきなり現れた坂本に鼻で笑われたのでむかっときた(辛島+国府+坂本:あかく咲く声)
- お兄ちゃん、お兄ちゃん。名を呼んでも来てくれないのは、ねぇまだかくれんぼが続いているから? お兄ちゃん、律は一人部屋になったばかりの場所で泣いた(律:ひび、深く)
- 子どもを一人、引き取りたいと思うんだ。言えば塔子はお名前は何て言うの? もう決定事項のようにふふと微笑んで問うてきた(藤原夫妻)
- 俺は貴方を守る為にいるんです。違う、俺ではなく、俺の名を、守る為にいて下さい。ルカは赤髪の従者に静かに命じた。俺ではなく、俺の名を(ルカ+カズナ:緋色の椅子)
- ドリィ、行かないで。――貴方を失うのは寂しいわ、言葉にしなかったその一言を透かし読んだように、大丈夫だよクレア、俺一人くらい失っても大丈夫だ。彼は笑った。俺は俺以外の全てを失ったんだから。ドリィの顔は逆光、その表情は解らないまま。笑っていたのかどうかは解らないまま。(ドリィ+クレア:緋色の椅子)
- 名を返そう。(だからこの想いを貰う事を許してはくれないだろうか)(夏目)
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