黒子のバスケ

title 140

21

恋も愛も知らないだろう人に愛とセックスを教えてしまった罪は何かと自問する。愛を与えて返されて、セックスを教えて返されて。それどころか教えていないことすら彼は返してきたことを考える。だから罪を贖う為に、夜に誘うために伸ばされたこの指を取って。

ぎこちないしぐさごと


22

小堀先輩ばっか狡いっス。膨れっ面の恋人は抱く力を緩めずに繰り返す。ゆきなんて、オレだって呼べないのに。だってとは何だだってとは、と質したい気持ちもあることはあるが、思いの外凹んでいたので仕方なくキス。それだけで単純なもので、沈鬱な仮面は

嘘みたいに剥がれた


23

黄瀬の子どもの部分はこういう時に強く現れる。同級生に指摘された痕は怒鳴り声でかき消して、後でしばくと決めていたわけだが。…オレがつけたのじゃない。それは爪弾きで淡くつけられただけのもの。なのに不機嫌そうに唇を重ねてきつく吸って、歯を立てて。全く

我侭な嗜虐


24

直接的な言葉と行為で伝えられる気持ちを、未だに間接的にしか伝えられないのは、聞こえなかった振りをされるのが怖いから。男からの告白を無視するような酷薄な人ではないと思っているけど、聞こえなかった、その一言が怖いから。でも、もうずっと。ねぇ、お願いだから、

聞こえない振りをしないで。


25

笠松は手強いでも鈍感でもなくて、何にも知らないだけだって。二人きりになってもキスすらままならない恋人との時間に打つ手をなくして、藁より拙い人に縋る。…そこまで?そこまで。返された言葉に溜息。いっそのかと後先考えずに突っ込んで

砕けたい壊したい

26

いつかお前が俺を見てくれる日を夢見ていたよ。力なく笑った人が別れ話の最後に口にした心の内にそれまで耐えていた心が壊れた。俺が嫌になった好きじゃなくなった。そういう理由なら。でも俺の気持ちを勝手に決め込んで。どうして今望んでくれないの。そんな風に

いつかを望むなら


27

差し出された手は自分より小さく豆だらけでごつごつしていて、今まできっと女の柔肌に触れたことはないだろう。おずおずとした不慣れな様子が可愛くて思わず笑うと、嘘泣きかよと怒り出して。違うよ、違うんスよ。伸ばした手で彼を腕の中に閉じ込めた。

手を振り払う決意など


28

伏せた顔に影を落として濡れた眦にキスを落とす。何もかもを初めてのこととして享受する人の初々しさに腹の底が疼くより熱くなるのは、彼の細波のような震えが貼り合わせた部分から伝わってくるからか。まるで自分まで初心なようで、気づいた。

ひそやかな罠にかかったのは


29

センパイと声を掛けられて振り向くのが自分一人。先に行ってるなんて要らぬお節介だとはもう思えない。まだ周囲にはそういう風に見えていて、遠くなる影と近付いてくる足音は早く。いつからその笑顔は白々しくなった。それとも自分が白けたのかなんて、

いじらしく笑うふり




20110704~

thanks title * @j_on_m