黒子のバスケ

like a good luck charm

幸せなら手を叩こう、じゃなくて、キスをしたいと思うのは欲張りなんスかね。なんて黄瀬が言う。
二人きりで同じベッドに寝ているこの状況下でそういう台詞を言うことが、結果として何を引き起こすのかなんて解りきっているのだから、黄瀬のこの言葉は確信をもって口にされたものだ。

というところまで考えたけれど、もしかしたら何てことなく本当にキスをしたいだけなのかもしれないということも考えた。
黄瀬は近付きたいと思った相手には接触過多で、そうでない人間には触れないどころか近付きもしない。物理的な距離としての問題。

キスをしたいと思うのは欲張りなのか。この状況下で考えるよりも、妥当なのはこの関係性で考えること。一瞬の接触、沈黙、くるりと背を向けた。

「……欲張りって言うか、普通だろ」

恋人が今、どんな顔をしているのか見えないのに解る自分も、そう、唯キスをしたかっただけだった。


good luck charm : 幸運を招くお守り

(20110409)