キャメル・ナイツ
作品の一部にR-15程度の描写を含みます。
十五歳以下の方(義務教育未了の方)の閲覧はご遠慮下さい。
いつもこうなる、と黄瀬は思った。いつもこうなるんだ。ぽたりと落ちたのは自分の汗で、落ちた先は浅く上下する腹の上。とっくのとうに薄まった白とくるりと混じり、脇腹を流れてシーツの上に落ちる。ぽたり。
何度目か解らないながらも、変わらずに薄い皮膚一枚の下に速く脈打つものを感じ、再び自身の下腹が燻されたように熱くなる。じりじりと焦げていく肉は、低温の熱に内側から焼かれた結果。骨の髄の部分は既に沸々と煮立っている。この部分は一度熱くなったら元の温度に戻るのには時間がかかるということを黄瀬は知っていた。滅多に熱くならない部分だからこそ、熱を持ったらいつまでも黄瀬を焼くのだ。黄瀬は、だからその熱を自分に孕ませた当人である笠松に返すことで熱を放出していた。その躰に自身の熱を埋め込み、溶かし込むことでしか、熱は散ってくれなかった。
「……も、抜けよ……」
精を放った後も繋がったままでいる黄瀬に、絶え絶えの息の合間に笠松が抗議する。腰に絡められていた足は解けていたが、間にいる黄瀬の所為で左右に開かれたままだった。
「もうちょっと、このまま」
「だって、お前……絶対、もっかいすんだろ……」
交差した両腕で目許を隠した笠松は、いやいやするように緩く左右に首を振った。「ホント、もう今日は……無理だから……」
弱い声は普段の笠松からは想像できないほど細く、まるで黄瀬に縋るように語尾を涙で滲ませていた。その様に熱はまた一段と高くなったが、それを笠松が知る由もない。これ以上の行為は甘くもつらい、そういう責め苦になることを解っていても尚、黄瀬は自身の欲を優先させることを自身に許した。
camel night:《俗》性行為をする夜