イティ・ビティ
作品の一部にR-15程度の描写を含みます。
十五歳以下の方(義務教育未了の方)の閲覧はご遠慮下さい。
01
絡まるのは心か頭か。
幾つもの思考が回る場所の特定を急ごうとする。
絡まっているのは舌か下か。これは両方だと解っている。
解けなくなっているのは腕か視線か。今腕を解いたら一体何にしがみつけばいいのか。
――何考えてるの、と耳に絡んだのは濡れた息で、自身に絡められた指に強く力が込められた。
02
R-15
まるで陸に打ち上げられた魚だと思う。
深く熱の塊を打ち込まれ呼吸がままならずに、短く浅くしかできない息継ぎのときすら、黄瀬は一切構うことなく、それどころか一層激しく笠松を追いつめる。熱を欲しがる部分に的確に熱を突き入れて、ぐずぐずと融けて行く肉に、ヤラシイ躰、と笑う。熱に肉は硬くなるのに、笠松の躰は熱に柔らかくなる。そういう風にされた。
性格悪ぃと絶え絶え呟くと、だって優しくするだけじゃ笠松さん飽きちゃうでしょ。時々乱暴にしないとね、と黄瀬は優しく微笑んで、自身を余らせることなく笠松に埋め込んだ。
03
笠松センパイって意地っぱりっスよね。
耳元で笑うのが気に食わない。だから無視して唯耐える。下半身に微熱。心臓に爆弾。こめかみには銃口。肌の上に淡い火傷を残す唇は時折正しく機能して小さく細く音を紡ぐ。かさまつせんぱい。
鼓膜を貫くそれが何よりも粉々に自分を砕くことをこいつは知っている。
04
やはり色々と考えてしまうのだ。たとえば明日は朝練があるとか、今度の撮影は着替えが多いとか、明後日までに提出の課題があったとか。
けれどもそれら全部がなくなったとしても、やはり加減というものだけは必要だと黄瀬は思う。気絶するまで抱きたいけれど、気絶させたいわけではないからだった。
つまりこれが好きよりも強く、大切にしたいというやつなのだろう。好きだから抱くのではなく、大切だから抱かないときだってある。そういうことなのだろう。
05
ナチュラルにハイな感じっていうのが意味解んねぇ、ってかお前酒飲んだ事なかったんじゃねぇのか。
ないっスよ、でも試合とか何か、ココロだけイっちゃったみたいなときありません?そういうやつです。
イくってな。頭を抱える。でも解る。あのイく感じ。躰ごと持っていかれる感じ。でも確かに足が地に着いている、あの感じ。
そう、確かに、イく。
itty-bitty:《口》ちっちゃな、ちょっとした;凝った