世界の折り方 神様の祈り方
おめでとう御座いますの一言は言えなかった。
代わりになりうべき言葉も泥の底に沈み見つけられなかったので、俺は何を言えばいいのだろうと思った。
毎年悩むしこれからも悩むのは酷く、愚かしい事だ。
それでも今日という日の意味を知っているので、何か言わずにいられなかったのも事実。
何を言えばいいのだろう。
「何も言わないのが一番俺には有難いよ」
嬉しいでも苦しいでもつらいでもなく、有難いと言った貴方の言葉は、諦めと呆れから出たものだと知っていた。
知っていますか、呪う事も祈る事も元は同義、神への言葉だった事を。
知っていますか、呪う事も祈る事も、同じほどの思いの強さなんです。
貴方が今日を呪い、自分が今日を祝い、それでプラスマイナスゼロ、今年もまた何も生まれない日となる。
筑紫と笹塚。何度目かの夏