魔人探偵脳噛ネウロ

鎮守の贄

作品の一部にR-15程度の描写を含みます。
十五歳以下の方(義務教育未了の方)の閲覧はご遠慮下さい。


そもそも男を抱く趣味があったわけではないけれど、それは何だかんだで騒がれるような嫌悪感を伴わなかったのも真実で、結局の所出せればいいのだろうかなんて思ったりもする。随分と即物的だ。何の見返りの感情も求めはしない。そんなないものの見返りを求めるほど夢を見れる人間ではなくなった。唯現在眼の前にいる男の、心ではなく躰だけを抱く。

硬い。第一印象。肉も皮膚も硬い。筋も硬い。今も変わらない印象。男の躰には、女、女の躰との駆け引きのような前戯めいた事は一切なく、唯拒まれるだけの硬さがあり。そんなに厚くは無い皮膚なのに、ここまで女との差が出るもなのかと改めて感じる。

強引に閉じた躰を抉じ開けるようにすれば、逆に一層躰が硬くなる事は解りきっているのに、つい強行突破で行きたくなる。どうしてだろう、優しく抱きたいだけなのに。優しく抱くだけなら、できるのに。――少なくとも、前はそうできていた。戯れるように肌の表面だけが触れ合うように、セックス未満の行為であっても、自分は優しく在れた。それがセックスになっても変わらなかった。彼を解くように抱いていた。――今はもう解く事が叶わない心も含めて、絡まった躰を解いて抱いていた。

女はセックスの時、全身が性感帯になるが、男は部分的にだけ。抱く為の躰ではあっても抱かれる為の躰では無い。それは彼の躰も同じ事。抱かれる為の躰ではない躰を抱く。それでも、男が恐らくはもっとも快楽を得るだろう其処は、抱かれなければ気付かれない。前立腺。一々探さなければならないような処で、男はいちばん感じる。面白い、そう思う。

其処ばかりをしつこく責めても、彼は声を殺そうとする。手で口元を覆って、その手をベッドに縫い付けるようにして押さえてしまえば今度はシーツをきつく噛んで殺してしまう。そこまでして自分に嬌声を聞かせないようにする年上の男の、耳の後ろを舌先で舐め上げる。彼の肌が緊張で締まるのが解った。

笹塚さんが、声を出さないようにと堪えている時の表情が好きだ。


入庁した後で。時期的には笹塚さんがスカウトされた後

(20051106)