魔人探偵脳噛ネウロ

無言礼拝




無言で

唯無言で

彼は一人いもしない神に向かって引き鉄を引いていた



『神様を殺しに行く為だよ』



何処までが冗談で何処までが本気だったのか

全て本気だったのか


寸分の狂いも無く撃ち抜き続ける

人体の急所。眉間、心臓、時に戯れで首を



彼が神を殺したいのではない事は直ぐに解った

本当に彼が殺したいのは、一体誰か



彼のその感情は憎しみのようでもあり、

彼のその行動にはいっそ

愛すら、感じられた








「俺は貴方の事を待っていますから」



嘘ではなかった。真実そう思ったそう思っていた。
いつだって待っていた。いつまでも待っているつもりだった。でも彼は帰って来なかった。それでも待っていたかった。待っていなければいけなかった。待つべきだった。何があろうと何を捨てても彼が何をしようともしていようとも、きっと自分だけは待っていなければならなかった。
青臭い理想論・夢見がちなモラトリアム人間の妄言。一過性の熱情。
砂の上に成り立つ脆い城の如きそれを、自らの鋼の意思を以ってして支えるべきだった。




現実、


自分は待つ事ができなかった。


彼は、上司の事も、自分の事も裏切ってなどいなかった。











裏切りのユダは、自分だった。











失踪時・そして帰還後。
前半部分は外国の射撃場の主人視点設定。

(20051104)