魔人探偵脳噛ネウロ

無声音

つい最近のものではない、けれども自分がつけたものでもない。その唐突な薄く赤い痕。
「背中、どうしたんですか」
焦点をぼかして問うてみると、彼は小さく小さく哂った。
猫だよ。猫に引っ掛かれたんだ。
彼の背中でじゃれる猫を思いながら、その猫はきっと甘い香水をつけているんでしょうね。呟いた言葉は今更だった。


今の話でもないような昔の話でもないような

(20051103)