銀魂

負け犬に月、濡れ犬に傘を (遣)

「なぁなぁ、トシ、ちゃんと退の奴牛乳買えるかなー?」
「……アンタ、一体何の為に貴重なオフを潰してまで、俺がこんな所まで付いて来なきゃならねぇんだ? 好い所に連れてってくれるんじゃなかったのかよ!?」
「イイトコロだってさ、全く土方さんはムッツリでさぁ。こんな昼間からしけこむ気満々なんだから」
「何、トシそんな気だったのか!? いくら健全な若者でも暇さえあれば夜の街に繰り出している様な生活……そんな荒んだ性生活俺は認めん!!
そんなお前は、今現在進行形真っ只中のこの『退のはじめてのおつかい』を見て心を潤せ!! さぁ!!! どきどきするよな、な!! 感動のシーンなんだぞ、子供がこう、初めておつかいに行って、そんで帰ってくるのって!!!」
「……あの歳で『はじめてのおつかい』とか本当あり得ねぇし。わざわざそれを心配だからとか言って先回りして来てる事もあり得ねぇし。とんだ親バカだよ、近藤さん。
時に総悟、後でテメェ土方スペシャルデラックス食わせっからな、今日の晩飯お前一人土方スペシャルデラックスだからな。芥子と山葵山盛りにしてマルチーズソースかけてやるからな」
「マジで。俺ぁいつから犬になったんで。
まぁ最近の犬はグルメですからね、そんなんに目もくれやしませんぜ」
「言ったなテメェ」
「トシ、子供が可愛くない親はいないぞ!! 子供は人類の財産だからな! あぁ、俺とお妙さんの子供もあんなに可愛く育つかなぁ」
「アンタ、何妄想結婚してんだよ!!! 想像結婚じゃなねぇよ、そんな可愛げのあるもんじゃねぇよアンタのその妄想は!!!! んでちょっとずれてる時間軸が!!」
「あ、」
「何だ、総悟」
「サガルの奴、牛乳売り場に現れましたぜ」
「何!!!」
「漸く来たか、アイツとろいんじゃねぇか?」
「そんな事は……あ、牛乳手に取った!! 今日特売の空知牛乳だぞ、間違えるなよ退!!!」
「ちゃんとメモ見て確認してますぜ。意外と律儀なもんだ」
「うん、うん、ちゃんと確認して頷いてる!!! 可愛いなぁ、偉いなぁ、退!!!」
「いや、ちょっと本気でアンタ恥ずかしいんですけど。たかがガキのつかい如きで……」
「そういう土方さんも内心結構気になってるんじゃないですかぃ? クールぶってても内心気になって仕方ないんでさぁ」
「は、何言ってやがるテメェ」
「煙草、火ぃ点ける方銜えてますぜ?」
「……最近新しい吸い方研究してんだよ」
「そもそも店内禁煙で」
「……」
「あ、退がレジの方に向かった!! よし、大急ぎで屯所に戻るぞ!!!」
「は、何で急ぐ必要が……」
「帰ってきたら、抱き締めて褒めてやらなきゃいけねぇだろうが!!! さぁ帰るぞ!!!!」
「はーい」
「本っ当に親バカだよアンタ……」


真選組:「おつかい」「子山好きに10のお題」の一