わが為は 墓もつくらじ―。
然れども 亡き後なれば、
 すべもなし。 ひとのまにまに―

  かそかに たヾ ひそかにあれ

生ける時さびしかりければ、
若し 然あらば、
よき一族の 遠びとの葬り処近く―。

 そのほどの暫しは、
 村びとも知りて見過し、
やがて其も 風吹く日々に
沙山の沙もてかくし
あともなく なりなむさまに―。

 かくしこそ―
 わが心 しづかにあらむ―。

わが心 きずつけずあれ


きずつけずあれ / 釋迢空
『釋迢空詩集』 思潮社 刊より

Hecatomb
――百頭の生贄の雄牛。多数の犠牲、虐殺

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